2009年 09月 16日
続 素敵な人々 |
ウィンドウズ95が発売された直後のこと、横浜に住んでいた
僕はなんとなく仕事をサボって車を走らせて江ノ島に行きました。
季節は秋で確か11月に入るかどうかの頃でした。土曜日お昼を食べて
片瀬西浜海水浴場の砂浜で作業着(大工の格好です)でぼけーっと
海をながめていると大きな声のおじさんが歩いてくる。
道行く人が「こんにちは~」とか若いサーフボードを持った青年など
直立姿勢で挨拶している。そのうち同年代くらいの男性に「おじさ~ん」
と呼ばれているのですが、僕も見たことがある。白髪のきれいな頭で
後ろで縛っていてやさしそうな人。
3秒悩んで勇気を出して声をかけました。
「あの~僕プラス1って言う本よく見ています。だいくなんですけど・・・。」
年齢を言うとちょうど僕が息子さんと同じくらいの年だということから始まり
今日は仕事がいやになってサボってここへきたことなどを話しました。
初対面の僕に対して親身になっていろいろお話くださいました。
昔は大工が設計をしていたこと。これからまた大工が設計をするようになるだろうということ
紙の上だけで設計しないこと、必ず現場で設計すること、土地の方向と太陽の向きと
風の向きだけは誰も変えられないから現場で確認すること。
風を見ること。
風なんか見えませんっていったら穏やかに笑いながら
「バカっみてみろ。波は風が作っているんだぞ。鳥を見てみろ。羽は動かしていないけど
ずっとあそこにいるだろ。雲だって太陽と風が作っているんだぞ。よく考えて風の通り道を
設計すれば気持ちのいい家が出来るんだ。風って大切なんだぞ。グライダーとかウィンドウとか
やるといいよ。見えないものを見ようとする努力と工夫と人とちょっと違う視線が大事だ。」
といってくれました。
日本人は土地を囲いすぎること、
きれいな水を飲もうと思ったときに浄水器をつけるのではなく、水を汚さない、川を掃除する
山を掃除する、という物事の本質を見るということを教えてくださいました。
もっと自然を大切に。
人を大切に。
元気でがんばれ。いつでも家を訪ねてくるといいよ。
そうおっしゃってくださいました。
夢のようなひと時を過ごしました。
気持ちの良い家が出来たら図面と写真を持って挨拶とお礼に伺おうと
がんばってきましたが一足先に惜しまれながらなくなってしまいました。
なくなってから10年が過ぎましたが自分が気持ちの良い家をつくっているかな
といつも心に留めています。いつも家の中に光と風が流れている明るい家を
デザインされていました。その後のメディアを通してすごく多才な方で人望厚い
方だと知ったときは本当に驚きました。
内緒だぞ、といって楽しく人生を歩むコツも・・。
今でもあこがれていますし、尊敬しています。
皆それぞれ おじさん、ぼくぞうさん、たぁざん、佐賀さん、呼び方は違うけれど
佐賀和光さん ありがとうございました。
僕はなんとなく仕事をサボって車を走らせて江ノ島に行きました。
季節は秋で確か11月に入るかどうかの頃でした。土曜日お昼を食べて
片瀬西浜海水浴場の砂浜で作業着(大工の格好です)でぼけーっと
海をながめていると大きな声のおじさんが歩いてくる。
道行く人が「こんにちは~」とか若いサーフボードを持った青年など
直立姿勢で挨拶している。そのうち同年代くらいの男性に「おじさ~ん」
と呼ばれているのですが、僕も見たことがある。白髪のきれいな頭で
後ろで縛っていてやさしそうな人。
3秒悩んで勇気を出して声をかけました。
「あの~僕プラス1って言う本よく見ています。だいくなんですけど・・・。」
年齢を言うとちょうど僕が息子さんと同じくらいの年だということから始まり
今日は仕事がいやになってサボってここへきたことなどを話しました。
初対面の僕に対して親身になっていろいろお話くださいました。
昔は大工が設計をしていたこと。これからまた大工が設計をするようになるだろうということ
紙の上だけで設計しないこと、必ず現場で設計すること、土地の方向と太陽の向きと
風の向きだけは誰も変えられないから現場で確認すること。
風を見ること。
風なんか見えませんっていったら穏やかに笑いながら
「バカっみてみろ。波は風が作っているんだぞ。鳥を見てみろ。羽は動かしていないけど
ずっとあそこにいるだろ。雲だって太陽と風が作っているんだぞ。よく考えて風の通り道を
設計すれば気持ちのいい家が出来るんだ。風って大切なんだぞ。グライダーとかウィンドウとか
やるといいよ。見えないものを見ようとする努力と工夫と人とちょっと違う視線が大事だ。」
といってくれました。
日本人は土地を囲いすぎること、
きれいな水を飲もうと思ったときに浄水器をつけるのではなく、水を汚さない、川を掃除する
山を掃除する、という物事の本質を見るということを教えてくださいました。
もっと自然を大切に。
人を大切に。
元気でがんばれ。いつでも家を訪ねてくるといいよ。
そうおっしゃってくださいました。
夢のようなひと時を過ごしました。
気持ちの良い家が出来たら図面と写真を持って挨拶とお礼に伺おうと
がんばってきましたが一足先に惜しまれながらなくなってしまいました。
なくなってから10年が過ぎましたが自分が気持ちの良い家をつくっているかな
といつも心に留めています。いつも家の中に光と風が流れている明るい家を
デザインされていました。その後のメディアを通してすごく多才な方で人望厚い
方だと知ったときは本当に驚きました。
内緒だぞ、といって楽しく人生を歩むコツも・・。
今でもあこがれていますし、尊敬しています。
皆それぞれ おじさん、ぼくぞうさん、たぁざん、佐賀さん、呼び方は違うけれど
佐賀和光さん ありがとうございました。
by kainotakumi
| 2009-09-16 20:45
| 建築